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「アルキメデスの対戦」を見て

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僕は菅田将暉という俳優が好きだ。

まずカッコいいし、音楽もできて演技も上手い。才能の塊なのに嫌味が全くない。

そんな本当に良い男代表の菅田将暉、主演映画「アルキメデスの対戦」をレンタルで見た。

太平洋戦争を舞台にし戦艦大和が大きな鍵になる本作だが、同じく大和を題材にし圧巻の戦闘シーンで記憶に鮮明に残っている「男たちの大和」とは正反対で、アクションシーンは冒頭のみでほとんどない。

軍人が政治経済の主導権を握り、シビリアンコントロールができていない日本。

戦艦大和の建造の裏に不正に計上した建造費を暴くため、菅田将暉演じる天才数学者の主人公が不正を阻止するために奔走する。

映画を見ていて、太平洋戦争前の日本、日露戦争の勝利で自信を持ち国力もないのに勝利を信じ、国民の士気と大日本帝国の国力を誇示するための象徴として建造された大和。

映画を見終わった後、この戦艦の存在に対する印象を大きく覆わる。

強大な超パワハラ大日本帝国

山本五十六の推薦があったとはいえ、一般市民が幹部の階級章をいきなり着けるのは無理だっただろうと映画の根底を否定することはさて置き、映画はテンポよく見ることができた。

 

 

ーー以下ネタバレーー

 

 

最後、大和出向の際に櫂直の目からは涙が溢れ落ちる。大和が撃沈することがわかっているのにも関わらず大和を完成させなければならかった櫂の無念の涙。

櫂直の目線を通して、観客も大和を見送ることとなる。

映画を見終わった後、大和撃沈は意味があったものだと考えを変えることができ、戦死者の方に敬意を感じた。

あなた達の死は決して無駄ではなかったと。

この映画を見た率直な感想だった。